リヒト
命なんて磨り減らすものだろう
覚えたてのタールで舌を潰した
鈍器で殴られているような頭痛と
止まない耳鳴りに満足する
薬がどんどん強く多くなって
結果救われない事は分かっていた
掬って欲しいとも思えない
篩から零れ続ければそれで良い
不幸を競ったりはしない
ただ自分を不幸だと思う権利を
未だ捨てられずに居るだけだ
憐れみにも労りにも慈しみにも
自分を預けきれなかったのは
それでも僕が人間だったから
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