冷塊は灼熱



首筋に出来た痕を
いとおしそうに撫でた
君は僕の最初で最後の越度

飛び立ってしまわぬ様
純白を毟り取った

救いを求める手に絶望を
奈落まで墜ちゆく君を
手を拱いて雲居から見下ろす


手に入れてしまえば
容易く色褪せる
君の隣を選ばない僕の愛に
気付いているんだろう

君は何も知らない振りで
悲しみに溺れて
僕に屈服した自分自身を
恨んでいればいいさ


囚われの憂え顔
嗚呼縛られているのは
君ではなく僕のほうだろう

鎖を引き摺りながら
燻りを他で消した

この火が君を焼いてしまわぬ様
僕を閉じ込めるその瞳は
永遠に寒空のままで良いんだ



温度を上げれば上げるほど
君から滴が滴り落ちる
そういう今に満足しているのは

外でもない、君なのだから








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