ねぇ



目蓋の裏に隠した君を
連れ去ろうと
誰かが躍起になっているの

半田鏝を翳して君を僕に
溶接しようと
誰かが必死になっているの


誰も答えを知らないなら
僕が作ってしまえばいいじゃない
君は応えをくれないから
僕が偽ってしまえばいいじゃない

ひそひそ声が僕を嗾けたんだ
金物屋が僕に売ったんだ
お日様が僕を生かしたんだ

ねぇ、ねぇ、ねぇ



真っ赤に染まった君を
連れ出そうと
誰かが僕を怒鳴り付けたの

僕のかわいい君を僕から
取り上げようと
誰かが僕に泣き付いたの


可哀想に現実は
待ってくれやしないから
みんなを置いてけ堀にして
一人で笑って抜けて行く

寂しそうに現実は
誰よりも構ってちゃんで
みんなを驚かせようとして
一人で笑って空回ってる



答えが欲しい僕は
誰かに尋ねたけれど
応えが欲しい僕は
一番優しい僕に尋ねて

一番優しい僕は
応えをくれたけれど
一番嫌いな僕が
欲しい答えじゃなくて



冷たい石になった君を
連れ戻そうと
誰かが向きになっているの

焼かれて骨になった君を
修繕しようと
誰かがずっと謝っているの

ねぇ、ねぇ、ねぇ








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