It is too late now.



何時まで言い訳の様な茶番を続ける気なのだろう。どうにかなるならないの話で云うのなら、明らかに後者の中に居る。けれどお別れは、お別れは淋しいね。そう思っているのは自分だけだろうか。それなら淋しくならずに済んだかも知れない。君が何を躊躇っているのか分からない。大事な事もそうでない事も、君は言葉にしたがらなかった。そういう所が気に入っていた。正直な奴を見ていると吐き気がするから。ずたずたに引き裂いて後悔させてやりたくなるから。自分がそうでない事を突き付けられる恐怖を、そういう奴はいとも簡単に飲み込んでしまえるから。要するに、嫉妬。君は特別だった。一人だけ世界の輪から外れている、外されているみたいだった。神様――そんな言葉がぴったりな可哀想で淋しい独りぼっちな人。君の隣に居ると安心した。何も感じていない風な君は誰よりも不幸に見えた。自分よりも不幸に見えた。だから、安心。けれどそんな訳がないんだね。君も他人並みに傷付いて、感情が出ない分他人よりも傷付いていたのかも知れないね。ちゃんと知っていたさ。知らないふりが得意なだけさ、ごめんね。そう云ったら君は手放しで赦してくれるだろうか。きっとそうだ。だから云わない、云えない、云いたくない。笑った君はきっと汚い。神様は動じない。こんな臆病で狡くて醜い奴の言葉何かに動かされてはいけない。そんなの自分が一番嫌いな類の人間だ。そんな君には触れたくないし見たくもない。君を利用しているだけだ。自分の為に傷付けて満足しているだけだ。嫌いだ。嫌いだ。嫌いだ。――好きになってはいけない。大嫌いな人間臭い君を好いてしまいそうな、守りたくなってしまいそうな、そういう自分が怖い。だって、今まではどうなる。嫌う事で築いて来たもの。侮蔑する事で目を伏せて来たもの。そういうものを今更どうやって受け止めればいい。愛すればいい。けれどお別れは、お別れは途方もなく恐ろしいから。もう隣が空席だ何て、君が居なくなるだ何て考えられないんだ。ごめんね。だからどうか赦さないで、信じないで、笑いかけないで。君がとても嫌いだから。


2011.11/06
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