着陸不能



電話の向こう側の君が遠い
笑った声を軽薄に感じ
気持ちの悪い幻想に犯され
ゆらゆら揺れる僕は妄想飛行士

切り刻んで箱に仕舞おうか
好きな時に開いては
僕のものだとほくそ笑む
だけど冷たい君では詰まらない

切り取った様な言葉を操り
僕の籠に迷い込ませる
今や鍵は君自身が管理している

倫理を凌駕する悦楽の前では
人は余りにも幼いまま
ぐつぐつ煮える君は妄想飛行機







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