青い春





俺の友達にホモがいるんだが、そいつは自分がホモだという事を隠しているらしく、俺が「ホモ」と呼ぶと「そんな風に呼ばないでよ」なんて云いながら泣きそうな顔をして寄って来る。

俺としては寧ろ感謝して欲しいぐらいだ。俺がホモホモ云うお蔭で、そいつの学校での立ち位置は隠れホモではなくあだ名ホモになっている。勿論、他の奴らがそんな風に呼ばない様警告し、呼んだ奴は徒では済ませない。

こういったわけで、そいつは俺専用のホモ扱いになっているんだが、当の本人はそんな事に気付きもせず、俺を「酷い」なんて詰るわけで。

全く。俺が裏で何度拳を振るったと思っているのか。しかもお前なんかの為にだ。俺がここまでお人好しでなきゃ、既にお前の穴は使い物にならなくなってら。


「学校でホモって呼ばないでって云ってるのに」

そいつと俺は友達以前に幼なじみの腐れ縁というやつで、毎日当然の様にどちらかの家に寄り合ったりしている。

何を云っても止めないと分かった上でぷりぷり怒るなんて、ホモだと隠しておいて充分フェミニンな野郎だ。

「じゃあ、何て呼べばいいんだよ」

携帯ゲーム機をピコピコ云わせながら尋ねると、大きな溜め息と共にもう何度聞いたか分からない返答が返って来る。

「だから名前で呼べばいいじゃん」

こっちが溜め息を吐きたいね。それが簡単に出来たらこんな話にはなっていない。


ゲーム機の中で俺の代わりに闘っていた奴が倒れて、お間抜けな音楽と共にゲームオーバーの文字が表示された。

「あー、死んだ」
「ちょっと俺の話聞いてる?」

「聞いてんよ、俊太」

俺がそいつに顔を向けると、俺を睨んでいたそいつの顔がボッと音を立てた様に赤くなった。

そら見ろ。

お前そんな事学校でやった暁には、カミングアウトどころか好きな奴まで丸分かりだぞ。







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