弱虫くん



傷を舐め合って
言葉を掛け合って
だけど腹の中は分からない

キミを疑うのは
立前だと疑うのは
ボクがそうだからだろうか


熱い雨の裏に
優しい音の裏に
粗を探してしまうのは

ボクがそれらに
それらの影を
忍ばせているからだろうか


ボクがそうだから
キミもそうだ
そんな方程式は
成り立たないけれど

だけど、もし、
もしもがあった場合に
そう考えると怖くて
ボクはとても向き合えない


ボクがキミを裏切って
二人の間に距離が出来て
そうした後で恋しくなるのなら

今キミの手を
握り返すべきだろうか
だけど重たくなってしまうね


キミの手を握る資格が
ボクにはあるのだろうか

ボクの手をキミは
嫌がらないでくれるのだろうか

重たくなった二人を
二人で支え合うのだろうか

キミを支える力が
ボクにはあるのだろうか


そんな事は
事が起こってからだと
キミは笑うだろうけれど

やっぱりボクは怖いから
このまま指をくわえて
キミを見ているだけでいい







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