宇宙船地球号



裏切り者の神様は
鉄砲片手に飛び降りた
段ボール製の鎧で
肌色の自分を隠して

単純な試行錯誤で
慌てふためく既製品
手の平サイズの箱に
世界を詰め込んで歩く


ぎゅうぎゅう詰めの檻の中
マネキン宜しく笑顔仮面
随分縮小されたポリスにすら
息苦しくなる始末

欲しがる理由も分からずに
得意の無い物強請りを繰り返し
好きな物だけ口に運んで
残りはさよなら見たくもない

皮肉を込めた言葉は
よく見れば全部自分宛
今際に吐いた言葉さえ
どこかの本で読んだもの


翼を無くした神様は
二本足で歩けるだけに
弾丸の代わりに水を詰めた
小さな玩具にすがって

地球が吐かす戯言に
祈るしかない脊椎動物
何千年の歴史も
纏められる程度のもの


天上界出の神様は
人類に同情したけれど
自分とよく似て非なるそれらに
少しだけ安堵した

街角で泣いていた女の子
知らない男が手を貸して
少女はママの元に帰って行った
笑った少女を見た男が

同じ様に笑っていた








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