僕と君のトートロジー



君の右心室を僕の寝室にしよう

酸素濃度の低い
君の液でグッドナイト


そのお洒落な犬歯で
僕を切り裂いて飲み下して
粉々になった僕なら
君の命の手助けになれるでしょう?

裏表だったら
楽だったのかもしれない
けれどどちらの僕も表でした


汚したくないと啼いたその口で
君の心を腐らせている
ペテン師が嘘を吐くように
僕は毒を吐いている

自分の耳をふさいだその手で
君の悲鳴を楽しんでいる
樵が斧を振るように
僕は拳を振るっている


君の神経がいっそ
麻痺してしまえば良かった


君がダッチワイフなら
僕は苦しまず
済んだかもしれない

けれど

君がダッチワイフなら
僕は愛すことも
知らなかっただろう



君の命と僕の愛を
もう一度だけ天秤に掛けてさせて

僕は前者に君は後者に
同じ分だけの錘を積み上げよう

永久に釣り合ったままの
天秤の支点の上で
好きなだけ唇を貪り合うんだ








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -