魚クライシス



黴臭いコンクリに錆びた鉄柵
そこから見える青色が好きだった
飛び降りたわけじゃない
その青色を泳げる気がしたの

肌色の喋る有機物より
銀色の光る無機物のほうが
私に優しくしてくれたわ
現に私の血管は彼を愛していた

この町が水没すればきっと素敵よ
私は泳ぎが得意だから
魚ならもっと上手く生きられたの

焼けるアスファルトの上で
グリルに乗る気持ちが分かる何て
土産話には打って付けね







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -