世界が終わる1秒前














「ミー達負けちゃったね」


「あぁ」


「さすがはカズヤが認めた相手だったネ!凄い強かったよ!」


「あぁ」


「久しぶりにこんなギンギンなプレイしたよ!マークもそう思わないかい?」


「あぁ」


「・・・マーク」


「あぁ」


「・・・仕方ないよ、ミー達の実力が足りなかったんだ。また次頑張ればいい」


「・・・あぁ」

「おーい!マーク!ディラン!帰るぞー!!」

「あぁ!OKだよアスカ!」


「ほら、マーク帰ろう?」

「・・・」

「マーク」

「・・・分かったよ」












サクサク

サクサク

マークの手を引いてフィールドを去っていく
マークは顔を上げなかったけど握った手が湿っていた

ミー達は今回の試合、負けるわけにはいかなかった

大切なチームメイトの為に勝たなければいけなかった
マークはきっとカズヤに申し訳なくて、
カズヤを勝たせて上げられなくて泣いてるんだ



ミーはなぜか涙が出てこなかった

確かにカズヤの為に勝ちたかった

でも別にこれに負けたからといって決勝トーナメントに行けないわけじゃない

次頑張ればいい

次の試合も

またその次の試合も勝って

カズヤを決勝トーナメントまで連れてってあげればいいじゃないか

それなら今日がだめでもall OKじゃないか


そうだそれでいい




それでいい











サクサク

サクサク



タッタッ――



フィールドの芝生を降りて控室に通じる人工的な床

そこに足を置いた瞬間

一気に体に力が入らなくなって動けなくなってしまって

そして







「・・・ディラン?」

「・・・っ・・うぅっひっ・うあああ」





目に溜まっていた水が一気に決壊した











(現実を受け止められてなかったのは自分の方だった)











「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -