Grazie(ありがとう)













「お前達はクビだ」

「なっ…!」











いつも通り練習をしていたら突然来た不信な男
その男は自らを「ミスターK」と名乗り俺達を突然クビだ、チームKがイタリア代表だと言い放った

当然そんなことに俺達は納得行かなく何故かと問いただしたら

「ならばお前らにチャンスをやろう。チームKとお前達とで代表決定戦を行い勝った方をイタリア代表とする。」と挑戦状を叩きつけられた。
勿論その挑戦状を受けイタリア代表を必ず奪還すると皆で決意したのに…………こんなことになるなんて思ってもみなかった






「ブラージッ…!!」








俺達の仲間の一人ブラージが突然倒れてきた木の下敷きになってしまいGKにとって命とも言える腕を負傷してしまった。
運良く命に別状は無かったけど……どうしてあんなタイミングで………

「フィディオ!!」

別のチームでグランドを探してたはずのアンジェロが血相を変えてやってきた
「どうしたんだアンジェロ?」
「ラファエロと…ジャンルカと…ジョルジョが怪我を…!それだけじゃないダニエル達4人もっ…」
「そんなっ…!みんな大丈夫なのか…」







どんどん怪我をしていく仲間達
みんな命に別状はないもののとてもサッカーを出来る状態なんかじゃない
残されたメンバーは俺を含めて7人
一体どうすれば……こんなときキャプテンだったら…「危ないっ…!フィディオ避けて!」

突然、しっかり固定されていたはずの木材が俺をめがけて倒れてきた



やばいっ…避けきれない…!


ドンッ!!!!


倒れてくるはずの木材の変わりにサッカーボールが落ちてくる
一体誰が…

「フィディオ大丈夫かっ!」

何故かイナズマジャパン代表のエンドウが俺達の目の前にいた

「…エンドウ!どうして日本代表の君がここに…?」
「ちょっと人捜しでな…でもほんとフィディオに怪我が無くて良かったぜ!流石鬼道だな!」
「あぁ」

どうやら彼キドウが俺を助けてくれたらしい

「有り難うキドウ」
「いや大丈夫だ…しかしオルフェウスのメンバー揃って…凄い深刻そうな顔をして何かあったのか?」


どうしよう、ここは言うべきか…でもこれはオルフェウス内の問題。
エンドウ達に迷惑をかけるわけには…

「フィディオ…エンドウ達に相談してみようよ?」

「アンジェロ…」

「もう僕らだけでは解決できないよ、エンドウ達なら助言をくれるかもしれない」

「…それもそうだね…実は…」






















それからエンドウ達に全部を話した。
ミスターKと名乗る男が来たこと、代表を下ろされたこと、みんなが不自然な形で怪我をしていくこと…
そして、エンドウ達からミスターKという男が影山という奴かもしれないこと、影山という男が今まで何をして来たかを聞いた

「君達も色々あったんだね…」
「あぁ…だからまさかと思って探しに来たんだ。でも今はそっちの方が大変な状況みたいだな…」

そう。
一体どうすればいいんだ…中々解決の糸が見つからない
このままやっぱり7人で戦わなきゃいけないのかっ…!
解決策を模索しているときエンドウが口を開いた



「なあフィディオ、俺がフィディオのチームに入るってのはどうだ?」




「…え!」
「円堂お前何を言って…!」

「だって明日の試合は別に公式の試合じゃないんだろ?だったら俺が入っても大丈夫じゃないか?」
「それに俺は、フィディオ達がイタリア代表じゃなくなるほうが嫌だ!」


「エンドウ…」


彼は本当に心優しい人だ…まだ会って間もない俺達のことをこんなに親身になって心配してくれて。
しかもチームに入ってくれるなんて…
申し訳ないけど今はその優しい気持ちに甘えるしか無かった。

「それじゃあすまないけど頼むよエンドウ…!」

「おう!任せとけ!」

「そしたら俺も参加するぞ円堂」

「鬼道!」「影山とはいい加減決着を付けたい。そのミスターKという男が影山かもしれない以上ほっとけないな」

「それなら俺も同じ気持ちだ、俺も参加するよ円堂」

「佐久間も…!これであと一人で11人だな…!」

「……ったくめんどくせーな。分かったよ…俺も参加する」

「不動…!ありがとな!やったなフィディオ!これで11人になったぞ!」

エンドウが笑顔で俺に言う。
本当にエンドウは凄い人だ…あっという間にこの難題を打開してしまった
本当に本当にいくら感謝しても感謝しきれない

「エンドウ…キドウ、フドウ、サクマ本当に本当に有り難う…!!早速みんなに知らせよう!」
























「みんな聞いてくれ!彼らイナズマジャパンのエンドウ、キドウ、フドウ、サクマが負傷したみんなの変わりにでてくれることになった!みんなで力を合わせて明日の試合必ず勝とう!」






































「俺は反対だフィディオ。明日の試合には俺が出る!日本人なんかにイタリアのゴールを任せられるか!」


「ブラージッ…」





怪我をした皆にエンドウ達のことを伝えたらブラージに反対をされてしまった
ブラージだけじゃない…他のみんなにも…
それはそうだよな、いきなり他のチームのメンバーを入れて一緒に戦おうなんて…でもこれしかっ…


「無理をして世界大会に出られなくなったらどうするんだよ!お願いだ強力させてくれ!」

「エンドウ…」

「何故だ、何故日本代表であるお前達がそこまでっ!」











「敵じゃない、ライバルだからだ!」





「俺さ、この島にきて最初にフィディオに出会ったんだ」
「世界にはこんなすげえやつがいるこんなやつらと試合ができると思ってずっとわくわくしてたんだ」
「俺はみんなと世界の舞台で戦いたい」


「俺達は世界1を目指すライバル同士、敵とか見方とか関係ない!な!」エンドウのその言葉に皆呆気を取られ、そして表情が一転穏やかになっていた

エンドウ、君は凄い…本当に凄い人だ
一瞬で人の心を開かせてしまった
さっきまでの雰囲気とは一転みんな笑顔で握手を交わしている

俺にとって難しいことを君は一瞬で解決してしまう
ほんと…君には適わないな





「よろしくなっ俺円堂守!」
「よろしくね、僕の名前はアンジェロだよ!君のことは良くフィディオから聞いてるよ?」
「え、どんなこと聞いてるんだ?」
「えーとそれはね「ちょっとアンジェロ!君は一体エンドウに何を言おうと…!」
「何をってねー?」
「なーっ。つかフィディオ慌てすぎっ!」
みんなが慌ててアンジェロとエンドウの間に入る俺を見てクスクスと笑う
あーっもう恥ずかしい…顔に熱が集中していくのが分かる

そんな俺を見て不思議そうに思ったエンドウが俺の顔を覗き込んでくる

「フィディオどうしたんだそんなに顔を赤くし「うわああちょ、ちょっとエンドウ…!」

いきなりエンドウの顔が近くにあったからびっくりして後ろに後ずさってしまった…うわあかっこわるい俺…

「うわっフィディオ大丈夫か?…それで、フィディオは俺のことなんてみんなに言ってたんだ?」
「ハハッい、いいよいいよそんなこと気にしないでエンドウ!それより今日はもう遅いだろ?エンドウ達がよかったら今日はオルフェウス寮に泊まっていかないか?」「お!それいいなー泊まっていけよ!」


「そうだなー…どうする鬼道、佐久間、不動?」
「そうだな…日本エリアからイタリアエリアは結構距離があるな…お言葉に甘えて泊まっていくか」
「俺は鬼道に賛成だ、それに俺達は明日アルゼンチン戦を控えてるしな」
「…俺は別にどっちでもいいぜ」


「よし!じゃあフィディオ、頼んでもいいか?」
「ああ勿論!歓迎するよ!」




「じゃあ早速着いたら明日の打ち合わせだな」
「そうだねーどんなフォーメーションで行くかとか考えなくちゃ」
「なあなあ日本のことも聞かせてくれよ!」
「あぁ構わないぞ…」













みんな打ち解けたように話ながら歩いていく
ほんと…最初の頃とは全く違う…これなら明日勝てるかもしれない…!









「フィディオ!」
「なんだエンドウ?」
「明日、絶対勝とうな!」
「…!勿論!」



















そうだ…勝てるかもじゃない、勝つんだ

エンドウが言うならなんでも叶いそうな気がした








「エンドウ!…本当に本当に有り難うっ…!!」
「おう!どーいたしまして!」


































道を見失っていた俺に手を差し伸べてくれた君の為にも、必ず勝利を誓うよ










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