Piacere(はじめまして)


自分で言うのもなんだけど俺はモテる
誕生日やバレンタインの時のプレゼントの数だってチームメイトに負けたことは無い
街での逆ナンなんて日常茶飯事だ

だけど逆に自分から好きな人は出来たことはない
どんなに可愛い女の子に告白されようと 好きになったことは無いし、付き合ったことはあるけどみんな最後に

「「サッカーと私どっちが大事なの!?」」

と言って1ヶ月もしないで別れてしまう

そんなのサッカーのほうが大事に決まってるじゃないか
俺は今一番サッカーをやっているときが楽しいんだ
サッカーをやってるときが一番自分らしく生きている時間だ と思う

だから俺は一生サッカーと付き合って行くだろうし、サッカーが恋人ですなんて言う日が来るんだろうと思っていたんだ


思っていたんだけどね
















「聞いてくれアンジェロ!」

「おはようフィディオ。一体どうしたの?今日はいつにも増してハイテンションだね」

「昨日等々恋をしたんだ!一目惚れだよ!一目惚れなんて運命を感じるだろ!」

「…フィディオなんか変なものでも食べた?」













「凄いねそれは、まるで本の世界の話みたいだ」

「今時ベタベタの恋愛小説にも出て来ねーよそんなの」

「え?それってフィディオの妄想じゃないのか?」

グラウンドに行って一番最初に目に入ったアンジェロに昨日の話をしようとしたらみんな集まってきて聞きたい聞きたい言うもんだから運命のような彼(エンドウ)との出会いを一字一句間違いなく話したらみんなのこの反応酷くない?
「ちょっとそれ俺に対して失礼じゃないか?一字一句どこにも間違いなんてないよ!確かにみんなが疑いたくなる気持ちも分かるよ。でもこれが事実なんだ!これは運命としか言いようがないよね!」

もうみんなフィディオのおめでたい頭にドン引きだった
しかし今までフィディオからの数々の女の子絡みの話からは想像もできないような話であった
腐ってもやっぱり自分達のチームのエース
みんなフィディオの行く末を心配しているのだ
ちょっと信憑性が欠けようとフィディオに春が来たことにみんな心から喜んでいた

「ま、まあフィディオに好きな子ができて良かったよ!」
「そ、そうだよな!良かったなフィディオ!」

「あぁみんな…!ありがとう…!」

みんなの激励に素直に喜ぶフィディオ
だが次のマルコの一言でこの歓喜に満ちた雰囲気がガラリと変わる








「なーなーフィディオが一目惚れしたくらい可愛い女の子どんな子か教えてくれよ!それはそれは可愛い子なんだろっ!」




























「?悪いけど多分彼は女の子じゃないよ?名前エンドウ マモルって言ってたし…あジャパンの代表だったかな!」


































「「「「え」」」」

















「え、えちょ、ちょまっえっとあれ?あいや」
「落ち着けマルコ。」
「これが落ち着いてられるかジャンルカ!?こいつよりにもよってお、おお男を好きになるとかしかも敵のチームでしかもエンドウってキャプテンだぞ!」
「いやもう僕はフィディオに好きな人ができただけで嬉しいよ…!大丈夫僕はフィディオの恋を応援するよ!」
「えぇぇちょっとアンジェロおまなにを」
「俺も応援するぜフィディオ…!」
「ブラージまで…!」
「ありがとうみんな…!!俺頑張るよ…!よしじゃあまずは彼にもっと俺のことを分かって貰わないと」
「そしたら浜辺に行ってみたら?エンドウは浜辺で特訓するっていってたんだろ」
「そうだねもしかしたら特訓してるかもしれない!ありがとうアンジェロ!俺行ってくるよ!」
「えちょおいフィディオ練習は「ごめん今日は休む!」




「え、ちょおま誰か突っ込んでくれそんなのねーよ!おまちょ、誰かまともなやつはいないのかー!!」


















あぁ早く、一分一秒でも早く愛しの君に会いたい!!





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