エラー、こころがいっぱいです







フィディオ!

フィディオー!

キャー!フィディオー!


「すごいな…」

「フィディオさんてこんなに人気な方だったのね…」

「まるで大スターだな」



目の前にはフィディオが沢山の人に囲まれている光景が広がっていた
















数日前、フィディオからFFIが終わったことだし普通に遊ばないか?折角だからイタリアに招待したい。という誘いが来た。

勿論断る理由なんか無かったし本場の人に案内して貰えることなんてそうない機会だ
二つ返事でOKを出した



俺達は他に豪炎寺、鬼道、ヒロト、それからアキ、ふゆっぺ(夏未には何故か行かないと断られた)の6人で行った。

向こうにはフィディオ、マルコ、ジャンルカ、アンジェロの4人が待って歓迎してくれた。


「おーい!フィディオー!みんなー!」

「マモル!」


フィディオが駆け寄ってきていきなり俺を抱き締める
外国人特有の過剰反応であろうがここは空港のターミナルのド真ん中

しかも前にはフィディオのチームメイト、後ろには自分のチームメイト

こんな恥ずかしい状況はない

「うわっちょ、ちょっとフィディオッ…ここ空港…!」

「あぁごめんごめんマモルに会えたのが嬉しくて…!」

フィディオはそういいながら頬にキスをする

「ちょっフィディ「「そろそろ離れてもらおうか(な)」」

前からマルコが、後ろからヒロトがお互いの間に割って入るようにしてフィディオを制止してきた

「なっ…ちょっと俺とマモルの感動的な再開を「どこが感動的なんだい?それにマモルにって君良い度胸だね」

「あぁごめん間違えたよマモル たち に会えて嬉しいよ」

ヒロトとフィディオの間に何か黒いものが見える…

マルコやジャンルカがはぁまた始まった…と溜め息をついている


「ごめんねエンドウ?こんなやつら放っておいてイタリア観光に行こう?」

「そうだな、行くぞ円堂」

「う、うんそうだねいつものことだもんね…!行こう円堂君!」

「えちょっ…」

そう言いながらアンジェロが俺の手を引っ張って鬼道とアキが俺の背中を押して豪炎手、ふゆっぺ、ジャンルカ、マルコが溜め息を漏らしながら二人を残してその場を去っていく






「「えっ…ちょ、ちょっとー!置いてくなー!」」





そんな馬鹿もやりながらもみんな仲良く(一部を除いて)楽しいイタリア観光をするはずだったのに……












「…フィディオはいつもあんな感じなのか?」
「あぁ…そうだな。特に今はFFIの直後だから余計だろうな」
「男の俺が言うのもなんだけど顔は良いし優しい、それに白い流星なんていう二つ名がついてればなー」
「それにしても凄いね…ねぇマモル君?…マモル君?どうかした?」
「ん?あぁ…ごめんなんでもない…」



正直この光景を見て良く思ってない自分がいた

少し考えればフィディオがモテることなんて分かることじゃないか

俺から見てもフィディオはとてもかっこいいと思う、外見的にも、内面的にも
加えてサッカーはあの上手さ
モテないはずがないのに……

どこか自惚れていた自分がいた
いつもフィディオは俺の隣にいてくれたから
それが当たり前のことになっていた
フィディオは俺だけのものじゃない
そんなこと当たり前のことじゃないか…当たり前のことなのに…



「……ごめん、ごめんね、ありがとう!………っとごめんね待たせちゃって」
「モテる男は大変だな〜」
「ははっごめんごめん…よし!気を取り直して行こう!マモル行こうか?マモル?」
「…あ、あぁ!そうだな行こう!どっから連れてってくれるんだ?」



まずい…な、自然な笑顔が出ない

でもこんな気持ち初めてで自分でもどうすればいいか分からない…あーっもう!もやもやする!!
止めよう折角フィディオ達が案内してくれるって言ったんだ…!楽しまなきゃ!

























そうは思うものの行くところ行くところフィディオの人気は凄く、その後もとても楽しめるような雰囲気ではなかった……










「はあ…疲れた……なんていうか…気疲れ?」

「そうだな…よくフィディオは耐えられるな。俺なら国外逃亡するぞ」

「ははっまったくだね」


みんな人混みの凄さに圧倒されてしまい観光どころでは無かった
疲れ切っていてそれぞれの部屋に落ち着いたら皆ベッドの上に沈み込んでいた


「はぁぁ…もうこれじゃあ折角のイタリア旅行が…円堂君、どこか行くのかい?」
「あぁ、ちょっと外の空気を吸いにな…すぐ戻るよ!」









本日久しぶりの一人きり
夜風が程良く冷たくて気持ち良い

今の自分のもやもやした気分を冷ますには丁度良かった

「はぁ…もう俺は…もう今日は溜め息しかしてないな…」


どうして自分がこんな気持ちになるかなんて流石の鈍感な自分でも分かっている



嫉妬しているのだ



どこに行ってもフィディオフィディオ
その中には可愛い女の子だっていた自分達の関係がおかしいなんてそんなこと分かっていたことじゃないか

でもやっぱり誰にもフィディオを譲りたくない自分がいて


「俺ってこんな女々しかったっけ…」


自分の気持ちに思わず自嘲してしまう
でもこんないつまでもぐだくだしているわけにも行かない


「よしっ…といい加減気分を変えて「マモル!」


え、フィディオ…!


まさかこんなタイミングでフィディオが来るなんて…!思っても見なかった
今の自分には何を言われても上手く返せる自信がない
上手くこの場を切り抜けなければ…


「フィ、フィディオ…どうしたんだ?フィディオも気分転換か?俺はそろそろ中に戻「ねぇマモル?今日俺のこと避けてない?」

フィディオが真剣な顔付きで俺の手を掴んで聞いてくる

「いやっ…そんなことは「あるよ」

自分の手を掴む力が強くなる

「ねぇ俺なんかマモルにしたかな?マモル今日一回も俺と目を合わしてくれないし、俺マモルとこのままなんて嫌だ」

フィディオが俺の両手を掴んでどんどん逃げられないようにする

そうやって俺をどんどん嫌な人間にしていく

やめて やめてくれ

「なあマモル…なんとか「もう…ほっといてくれよ!!」あぁ…遂に言ってしまった

フィディオがとても驚いた様子でこちらを見ている

でももう一回爆発したものは止まらない

「えちょマモ「なんなんだよフィディオ!さっきは俺のことをあんなにほっといたくせに!あんなににこにこしてそんなに女の子と一緒にいたければいればいいだろ!誰にもかもにも優しくするなら俺に優しくしないでくれよ!っ…あーもうフィディオのばか!」

もう自分で何を言ってるか最後分からなくなっていた

ただ分かっていたのは目の前の人物がいつも以上にニヤニヤしてこっちを見つめていたことだった

「もう俺部屋に帰るんだから手離せよ!」
「マモル」

「だから…離せって」

「マーモール」

いつの間にか自分はフィディオに抱き締められていた

「ふふ…もうマモルはかわいいなあほんと」

ああもう穴があったら入りたいとはこの事だ
まるであれじゃあやきもち焼いてますって言ってるようなものじゃないか

小さくうるさいと抵抗するのが精一杯だった

「まさかマモルが嫉妬してくれるなんて思っても見なかったよ」

「マモルは中々自分の気持ちを言ってくれないからね…まあ日本人なら仕方ないのかなあ」

「でも…俺は言って貰えて嬉しかったよ」

嬉しい…??

「煩わしくなかったのか?」

体を少し離し顔を見つめて話す

「煩わしいなんてあるわけないだろ!むしろ自分の恋人に焼いて貰えるほど嬉しいことはないよ」

フィディオはにっこりと笑って俺の頬に手をあてる

「言っておくけど俺はマモルにしか興味は無いよ、あんな女の子になんか興味ない」

「あんなって…」

「俺から見たらこれは極論だけどマモル以外は恋愛対象外だ」

「どんなに可愛い女の子がいたって俺にはマモルしか見えない、マモルが一番可愛い」

「マモルが他の子と喋らないでっていうなら喋らない」

「そういうことを言ってるんじゃなくて…!」

「うんそれは分かってるよ、だからそんなことはしない」

「でもマモルが不安になってしまうんだったら、俺は大勢の人の前で言ったって構わないよ」

「マモルが好きだ」

「マモルしか好きにならない」

「マモルだけを愛してる」

最初は額に、次に目に、頬に、最後に口に…バードキスをしながら俺に囁く

ああいつもいつもフィディオは俺の欲しい言葉をくれるね

幸せすぎて涙がでそうになった

「フィディオ…」

「ん?」フィディオが俺を愛おしそうに見つめる

「ありがとう…俺も…フィディオだけを愛してる……」



どちらからともなくキスを交わした















君のおかげで俺の心はパンク寸前








titlethanksアーダに告ぐ













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