赤葦の妹が黒尾と付き合う

木曜日の16時、1番線ホームにある奥から2つ目の階段の下
少し人目に付かない所であと2、3分で着く電車を待つ
電車、ではなくて人を待ってたりするのだが、それは置いておく
しかしこの2分3分がやけに長い...
毎週この時間が苦痛であると共にわくわくさせてくれる時間にもなるのが憎いと溜息すら出るがそれも置いとく、あの電車の来る時間だ
ホームに音楽が流れ始め、案内の音声が耳に入る
体に緊張が出始め、口元が自分の意志に反して緩み始める
あいつの前ではかっこよく決めたいんだけどなぁ、とか目的の車両が来ればそんな考えも吹っ飛ぶ
電車の中でソワソワしているなまえを見れば噴き出してしまいたくなるのを我慢して軽く手を上げて挨拶をする
扉が開けば「鉄朗君!!」と飛び掛かってくる
そんななまえを胸で受け止めて頭を撫でまわす
周りからすればバカップルだとか思われるかもしれないが気にしない
一週間ぶりのなまえだからこそ、堪能させてほしい

すぐそばにあるベンチに座って今日どこ行く?なんて同じ携帯を見つつ今日のデートコースを決める
「この前美味しそうなカフェ、見つけたの」
「お、いいじゃん、言ってみようぜ」
テラス席がある雰囲気のいいお店の写真を見ながらテラス席座れるといいねー、と話しをしながら改札を出る

手を繋いで長い駅を歩いてると急になまえが立ち止まる
「なまえ?」
「お、お兄ちゃん...」
なまえの肩を掴む赤葦が俺を睨みながら立っている
走ってきたのか肩を上下に動かしながら息をしていた

「なまえ...、と黒尾さん」
「ハイ...」

「何してるんですか?」そう言いながら苦しいのか赤葦は制服のネクタイを緩める

なまえは赤葦の妹で、梟谷のマネージャーをしている
そして赤葦は極度のシスコン
だからこそ付き合ってるのは内緒にしていた

「2人とも目が泳いでますよ」

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