「…最低ですね。」
なぜ今俺がこんなことを言われているかというと、10分ほどさかのぼる。
「ねえ森山。」
「ん?ああ、みょうじか。どうした?」
「昨日の部活後、スタメン組で出かけて何してたの?」
「え、何で知って…はっ!まさかストー…」
「違うわ阿呆。」
「あ、あほ…」
「体育館からちらっと見えたの。部活終わった後もバスケしてたら困るなと思って。」
「いや、してないけど…してたら困るのか?」
「どこか痛められたら対処できないでしょーが。ま、やってないならいいわ。」
性格はあれだがちゃんとマネージャーとして俺たちのことみてたのか、と言おうとしたが何を言われるかわかったもんじゃないから俺は出かかった言葉を飲み込んだ。昨日の部活後、といえばみんなでナンパをしに行ったことで間違いないだろう。特に黙っておくことでもないと判断した俺はみょうじに昨日の出来事を話した。
とんだ判断ミスだった。この話をしたらみょうじはしばらく俯いて、顔をあげるとなぜかふくれっ面で冒頭のセリフを吐いた。ついでに「話しかけられた女の子もきっと困ったはずです。女の子を困らせるなんて許せません。今後そんなことはやめてください。」と言われてしまった。
女の子の心配かよ。