少女F


「やーん!諏佐若はっけーん!」
「す、すさわ…?は?」
「みょうじか…おはよう。」
「おはよう諏佐!朝からごちそうさまっ!」

朝から俺の前で頬を染めくねくねしている女子は俺のクラスメートのみょうじ。こいつはちょっと変わってる。

「何話してたの?あっ!もしかして式の日程?そうなら早く言ってくれれば良かったのに〜、いい場所知ってるよ?」
「いや、朝練の帰りで部活の事を話していた。」
「諏佐サン、コイツ誰っすか!?」
「なんだつまんないの。あ、若松くんもおはよう!今日もいいお尻だね。」
「なんで俺の名前知ってんだよ!ってか今なんつった!?尻!?」
「みょうじは尻フェチなのか。俺も尻鍛えようかな…」
「諏佐サン!?」
「自分ら一旦静かにせえ!」
「あ、今吉。」

3人で楽しく話していると、今吉が割り込んできた。なんだ、仲間外れにされたと思ったのか?今吉も案外寂しがり屋なんだな。

「さっきから聞いとったら訳分からん事ばっか言うて……若松困っとるやろ!?」

いきなり割り込んできたと思ったら説教をし始めた今吉。みょうじはじっと今吉の顔をまじまじと見つめ、若松はさらに挙動不審になり、なかなかカオスだ。

「みょうじ!自分はまず所構わず変なこと言うんを止めろ!」
「えー」
「諏佐もや!何普通に会話しとんねん!つっこめや!あとケツなんか鍛える必要なんかないわ!」
「はっ!もしかして今吉くん、ずっと諏佐のお尻を狙っていたのね!?でも聞いて、あなたは諏佐と絡むと攻めじゃないの、受けなの。きっと諏佐がお尻を鍛えたら攻めのときに柔肌ふっくらお尻を堪能できないって思ってたのよね。でもね、何回も言うけど、あなたは諏佐と絡むと」
「こんな的外れなことを言う口はこの口か?」
「いひゃいいひゃい!」

みょうじの頬を引っ張り笑顔を引きつらせながら怒る今吉を焦る表情で見る若松。これまた面白い図だな。でもそろそろかわいそうになってきた。

「今吉、そのへんにしてやれ。若松ももう自分の教室に戻っていいぞ。みょうじも教室に行こう。」
「ちょお待て!こいつにはしっかりとお灸を添えたらなあかんねん!」
「みょうじは女子なんだぞ?手加減してやれよ。」
「『腐』女子やから大丈夫や。」
「女子は女子だろ。」
「自分はみょうじに甘すぎんねん…もうええわ……」

深い溜息を吐いて自分の教室に帰った今吉を見送った後、俺はみょうじと教室に向かった。


(今日も桐皇は平和だなあ…)

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