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「翼!鍋に変な物入れない!」
「おい誰だよ!カレーにシリアル入れた奴!」



オリキャン当日。キャンプ場に到着してから全学科でレクリエーションをやって今はお昼。キャンプと言えば定番はカレーな訳で。



「梓、翼って何?私の注意も聞かずに余計な物ばっかり入れてくるんだけど?」
「僕に言わないでよ。あれは僕でも止めようがないし、第一カレーにシリアル入れたところで味変わらないじゃん」
「そうゆう問題じゃない!」
「名前、俺もう我慢の限界だ」
「え、ちょっと憂!」



あーあー、あの憂がついに断念しちゃったよ。もうシリアル入りでも何でもいいからはしゃいで喧しくするのはやめて欲しいな、翼。



「翼、これ以上煩くしたらご飯抜きだからね」
「ぬ!それは困るのだ〜!」
「梓、そこにあるケチャップ取って」
「はい」
「ありがとー」



あとは牛乳入れて隠し味にチョコレートを入れたら完璧だ。このまま翼が何もしなきゃの話しだけど。



「お皿とスプーンとコップ並べて…」
「名前」
「ん?あ、琥太兄…じゃなくて星月先生」
「上手くやってるか気になってな。カレーは出来たか?」
「うん。翼がシリアル入れたりとか大変だったけど」
「カレーにシリアル…ま、楽しそうで何よりだ」



くしゃりと頭を撫でて琥太兄は他の班に去って行った。本当に様子見に来ただけだったな。さて、用意も出来た事だし憂を連れ戻してこようか。



「梓、カレー装っといて」
「名前は?」
「ちょっと憂連れ戻してくるから」
「わかった。気をつけてね」



どの科にも友達が居る憂を探すのは結構至難の技かもしれない。まずこのキャンプ場無駄に広くて歩くの疲れてくるし。あ、ここ天文科だ。



「あ、名字さんじゃん!」
「…どちら様?」
「ねーねー、俺らこれから向こうで飯食うんだけど名字さんも来ない?」
「いえ、人を探してるので結構です」
「んな冷たい事言わないでさー」



白昼堂々ナンパ紛いの事してくるなんて、一体どうゆう神経をしてらっしゃるんでしょう。てか手首掴むなよ、地味に痛いし。



「お前、何してんの?」
「…憂、あんたどこに居たのよ。おかげでこんな状況なんだけど」
「俺のせいかよ。カレー出来たんだろ?行くぞ」
「うん。とゆー訳で離してもらえます?」
「名字さんが一緒に食べてくれんなら離してあげるよ」



神経図太い上に空気読めないときたか。梓と翼待たせてるから早く戻りたいんだけどな。



「ね、行こ?」
「だからっ」
「離せって言ってんのが聞こえねーの?まず気安く名前に触んなクズ」
「んだと…っ!いだだだだ!!」
「ゆ、憂?!」
「ほら、今のうちに行くぞ」



憂が怒ったとこ初めて見たかも。なんか喧嘩慣れしてるみたいだし憂って謎な奴だなーなんて思ってたら、まさか憂に説教されるなんて夢にも見ませんでした。






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