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「明日はいよいよオリエンテーションキャンプですか。てか名前長くない?オリキャンでいいよね」
「おいおい勝手に略すな」
「僕はいいと思うよ、名字らしくて」
「ま、木ノ瀬がいいならいいや」
「ちょっと!何で私はダメで木ノ瀬君はいいの!」



オリエンテーションキャンプ略してオリキャンを明日に控えた今日。休日という事で班のメンバーと街に買い物に行く事となった。それにしても憂も木ノ瀬君も私服が大人っぽい。



「天羽君は?来てないみたいだけど」
「電話した時には起きてたからそろそろ来ると思うよ」
「ぬわ〜!遅くなったのだ!」
「ほらね」
「うぬ?梓、こいつ誰だ??」
「こいつじゃないでしょ。瀬田と同じ科の名字名前。僕達4人班が一緒なんだよ」



天羽君大きいなー。身長何pなんだろう。憂も木ノ瀬君も高いけど天羽君はずば抜けて高い気がする。なんか、異色の4人じゃない?



「天羽君、よろしくね」
「うぬ!よろしくなのだ!」
「さて、天羽も来た事だし行きますか」
「何買いに行くんだっけ?」
「とりあえずお菓子と飲み物。あとは適当に見て回ろうよ」
「随分と行き当たりばったりだね」
「名前はいつもだよ」



ちょっと思ったんだけど木ノ瀬君と憂って性格似てる気がする。ドライってゆーかサバサバしてるってゆーか、同じ意味だけど。



「バスが来たみたいだね」
「名前、天羽行くぞ〜」
「はいはーい」
「ぬいぬいさー!」
「ぬ、ぬいぬいさー?」



バスに乗り込んで街へ出発。天羽君はどうやら街に行くのは初めてらしくて外の景色を見て騒いでた。見た目と中身がとことん一致しない子だな。



「木ノ瀬君と天羽君、アメ食べる?」
「くれるの?」
「食べたい!」
「ソーダ味とコーラ味、どっちがいい?」
「じゃあソーダ味にしようかな」
「うぬぬ〜…じゃあ俺もソーダ!」
「あ、名前」
「憂はコーラ味でしょ?はい」



ポーチからアメを取り出して3人にあげる。アメって言ったらやっぱりソーダとコーラだよね。あのしゅわしゅわした感じが堪らなく好き。イチゴとかそうゆう甘ったるいアメは好きじゃないから絶対買わない。



「それにしても、学園から街まで遠すぎじゃない?」
「山奥だから仕方ないだろ」
「憂って本当サバサバしてるよねー」
「悪かったな、サバサバしてて」
「瀬田と名字って熟年夫婦みたいな会話する事多いよね」
「熟年…せめて普通の夫婦にしてよ」
「いや夫婦もダメだろ」



木ノ瀬君は一体何を言い出すんだ。あれだけ騒いでた天羽君なんかいつの間にか寝てるし。あー、寝顔可愛いな。



「そうだ。これだけ仲良くなった事だし、名前で呼んでもいい?」
「いいよ。私も名前で呼ぶから」
「じゃあ俺も木ノ瀬じゃなくて梓って呼ぶかな」
「瀬田に呼ばれると鳥肌が立つ」
「失礼な奴だな」
「嘘だよ。じゃあ僕も憂って呼ばせてもらうから」



梓に街に着いたら天羽君の事も名前で呼んでやってって言われたから遠慮なく呼べば、一瞬驚いたような顔をしたけどすぐ笑顔で私の名前を呼んで抱き着いてきた。なんか、可愛い大型犬みたい。






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