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理事長室に居る春姉に会いに5階に行ったら知らない3年の人に声を掛けられた。なんか関わったら負け的な感じがしたから、適当に話しを切り上げて行こうとしたら捕まって現在生徒会室です。



「あの、私理事長に会いに行かなきゃいけないんですけど」
「まぁ、ちょっと待て。もうすぐで来る筈だ」
「…はぁ」



さっきからずっとこの会話の繰り返し。もうすぐ来るって誰が来るんですか。てか貴方はどちら様ですか。



「一樹会長、こんにちは」
「おー、来た来た」
「会長、こちらの方は?」
「こいつはこの学園で2人目の女子の名字名前だ」
「そうでしたか。僕は2年神話科の青空颯斗です」
「どうも」



なんだ、この人生徒会長だったのか。ご丁寧に私の名前も勝手に紹介してくれちゃってるし。奥に居る女の人は琥太兄から聞いてた人かな?



「わっ、私2年天文科の夜久月子です!えっと、」
「焦らなくても大丈夫ですよ、夜久先輩」
「えっと、私ずっと女の子のお友達が欲しかったの。だから、その、お友達になってくれないかな…?」
「私でよければ構いませんよ」
「本当に?!」
「月子、少し落ち着け」



話しで聞いてたよりずっと可愛くていい人そうだ。これならマドンナなんて呼称がついても不思議じゃない。



「で、会長さんは私をここに連れてきて何がしたかったんです?言っときますけど生徒には所属しませんからね」
「いや、お前を月子に会わせたかっただけだ。1年と2年じゃ会うタイミングないだろうしな」
「…そうですか。お気遣いどーもです」
「ま、用はそれだけだ。引き止めて悪かったな」



憂から生徒会長は強引で捕まったら終わりだから気をつけろとか言われてたけど、たいした事なかったな。聞くに天羽君は入学式の時あの生徒会長に名指しで生徒会会計に任命されたんだとか。



「関わりたくない人No.1だな」
「何が?」
「生徒会長に…って、木ノ瀬君。生徒会室に用事でも?」
「翼の様子を見に来ただけだよ。でも居ないみたいだね」
「木ノ瀬君と天羽君って従兄弟なんだっけ?同い年の従兄弟っていいよね」



10歳以上も年上の従兄弟しか居ないからちょっとだけ同い年の従兄弟に憧れたりした事がある。春姉と琥太兄に不満がある訳じゃないけど。



「そんなにいいものじゃないよ。翼は発明好きでいつも発明しては爆発させる問題児」
「でも何だかんだ言って天羽君の事好きなんでしょう?顔が笑ってるよ」
「…よく見てるね」



その日は木ノ瀬君と話しながら寮まで帰った。






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テーマ「人外ファンタジー」
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