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「いやはや、怠いですな」
「お前はいつだって怠いんじゃねーか」



お世辞にも教えるのが上手いとは言えない数学の先生の授業は退屈で仕方なかった。まず問2の数式間違ってるし。



「つか、名前って首席だったんだな」
「無駄に頭はいいんだよね」
「それでその性格とか、人間やっぱ見た目じゃねーな」
「何それ、どーゆー意味よ憂」
「そのまんまの意味」



入学して1週間ちょっと。瀬田君の事を憂と呼ぶようになったのはつい最近の話し。



「あ、そういや来月オリエンテーションキャンプとかって面倒な行事あるの知ってる?」
「何でもかんでも面倒とか言うな。知ってるよ。班作んなきゃなんないらしいけど、俺と一緒でいいよな?」
「全然いーよ」
「他の科の奴とも組めるみたいだし、木ノ瀬でも誘うかな」



ここ最近で思った事。憂は友達が多い。勿論この学園には県外から来る人だって居るし同じ中学の人なんて数人くらいしか居ない。なのに憂は各科に絶対何人かは友達が居る。つか木ノ瀬って誰ですか。



「昼休みにでも聞いてくるか」
「あ、私もついてく」
「何、木ノ瀬に興味あんの?」
「知らない人班に入れるんなら知らなきゃダメじゃん」
「まーな。んじゃ後で宇宙科行くか」



木ノ瀬君は宇宙科なんですか。6つの科の中で1番学力が高くて体力的にキツイらしいけど、めちゃくちゃがたい良くて厳つい人だったらどうしよう。



「木ノ瀬ー!」
「そんな大声で呼ばなくても聞こえてるよ、瀬田」
「お前オリエンテーションキャンプの班決めた?」
「いや、まだだけど。翼も居るしなかなか決まらなくてさ」



昼休み、宇宙科。目の前に居る木ノ瀬君は想像してたのとは全然違くて、細くて知的な感じでぱっつんだった。憂にぱっつんは禁句だって教えられたから口には出さないけど。



「で、そこの彼女は?」
「同じ科の名字名前。俺こいつと班一緒なんだよ」
「そうなんだ。僕は木ノ瀬梓、よろしくね」
「よろしく」
「…噂と印象が違うね」
「噂?私の?」



噂って何。私噂になるような事なんかしたっけ?入学式サボった事くらいしか身に覚えがないんだけど。



「琥珀色の瞳で人形みたいに綺麗な子が西洋占星術科に居るって噂」
「……人形?私が?」
「ぶっ……!」
「憂!笑うとか失礼だから!」
「だっ、だって名前が人形とか、笑うしかねーだろ…!」
「くっそ、めっちゃムカつく」



散々憂に笑われたあと、木ノ瀬君を班に誘うと天羽君とやらに聞いてみないとわからないと言うので返事は後日となった。






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