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「名前、お前今まで何処に居た」
「…屋上」
「あれ程サボるなと言った筈だが?」
「ゴメンナサイ」



現在理事長室にて説教中。春姉と琥太兄の顔が怖くて見れません。いや、春姉はきっと微笑んでるんだろうけど琥太兄は絶対に鬼の形相だ。



「名前?そんなんじゃおじ様に連れ戻されちゃうわよ?」
「うっ…」
「姉さんと俺があの人を説得するのにどれだけ苦労したかわかってるのか」
「…ごめんなさい」



星月学園理事長の星月琥春と弟で保健医の星月琥太郎は私の従兄弟。

財閥の社長である父は私をお嬢様学校に入学させたかったらしいが、あんな窮屈で女がごちゃごちゃ居る学校になんて通いたくなかったので2人に説得を任せて何とかここに入学した。



「今回は見逃してやるから、もう行事はサボるなよ」
「はーい。なんか、琥太兄が理事長みたいだね」
「琥太郎ったら酷いのよ?私だと名前を甘やかすからダメだって」
「俺は事実を言っただけだ」



あぁ、なんか長くなりそうだな。時間もそろそろいい感じだしもうお暇してもいいよね。



「春姉、琥太兄。私もう行くね」
「偶には私に顔見せに来てちょうだいね」
「了解」
「俺の所には来なくていいからな。いや、来るな」
「はいはい、来て欲しいんでしょ?仕方ないから毎日行ってあげますよ」
「おい、誰がそんな事言っ」
「失礼しましたー」



琥太兄はちょっと話しが長いからいつも途中で遮って逃げ出す。次会った時が怖いけど。



「さーて、帰ろっかな」
「名字!」
「…瀬田君、どしたの?」
「クラスの奴が名字が理事長室に行ったって言うから」
「もしかして心配して来てくれた?」
「…まぁ、そんな感じ。サボったのは俺もだし」



5階から眺める景色は案外いいもので暫く窓の外を見ていたら瀬田君が走ってきた。しかも私を心配してわざわざ来てくれたらしい。めちゃくちゃいい奴だ。



「従兄弟が勤めてるって言ったでしょ?あれ、この学園の理事長と保健医の事なんだ」
「…は?理事長?保健医?」
「母の姉の子供が星月琥春と星月琥太郎。だから私の従兄弟、OK?」
「お前、意外に凄い奴だったんだな」
「ねー、自分でもビックリだよ」
「急に聞かされた俺もビックリだよ」



せっかく来てくれたし、購買で何か買って天体観測でも誘ってみようかな。初日に天体観測する奴なんて沢山居るだろうけど、それもまた一興だ。






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