12
(12/14) 



「名前…?」
「げっ…梓」
「僕を見るなり悪態つくのやめてくれる?腹立つから」
「この数週間で悪態つくようになったのは梓だと思うんだけど」



朝6時半。寮から出てロードワークをする為にアップをしていたら向かいから梓が走ってきた。まさか敵対視してる奴に会ってしまうとは。



「名前も100m走るんだって?憂に聞いたよ」
「情報が早い事で。やるからには負けないからね」
「僕に勝とうなんて10年早いよ。まず女子に負けるなんて有り得ないし」
「いちいち勘に障る事言うなバカ梓。ロードワーク終わったんでしょ?さっさと部屋帰りなよ」



わかってるよ≠チて梓は何故か私にタオルを渡して帰って行った。まさか自分が使ったタオル渡してきたんじゃないでしょうね。



「よくわかんない奴…」



タオルを首に巻いて、大音量で曲を聴きながら誰も居ない道をひたすら走った。














「は?1000m?」
「ごめん!100mは病弱な青山君に変わっちゃった…☆」
「☆つけんな久我山、蹴るよ」
「ご、ごめんね!名字さん…」
「あー…うん、大丈夫。君はむしろ走らない方がいいと思うよ」



見るからに体弱そうだよ、青山君。走ったら吐血とかしそうな勢いだし。…あれ?てことは1000mに変わったんなら梓と走らなくて済むのかな?



「今年の見物はB4対決だから木ノ瀬達にも種目変えてもらったし、安心しろよ」
「…久我山って私の事嫌いなの?」
「え!?いや、嫌いじゃないしむしろす、」
「久我山ー、お前ちょっと表出ろー」
「せ、瀬田クン?痛い、痛いよ、掴まれた右腕がとてつもなく痛いよ?!」
「お前達もう少し静かに出来ないのか〜?ったく、先生ちょっと職員室に行くから大人しく自習してろよ〜」



どっちにしろ梓とは戦う運命なんですね。女子に1000m走らせる君達は一体何なんだ?私を女子だと認識してないんだろうか。



「久我山はさておき、名前自主トレしてんの?いきなり走るの辛くない?」
「一昨日くらいから走り始めてるよ。でも1000m走るなら時間倍にしなきゃ」
「付き合おうか?」
「いいよ。友達と走ると集中出来ないから、気持ちだけ受け取っとく」
「あいよ。あ、宇宙科チームに負けたら昼飯奢りな」
「は?!何それ聞いてない!」



そんなルールいつ決めたんだ!私の居ない所でほいほい決めやがって…。絶対一泡吹かせてやるんだから。






「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -