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夏が近づいてきた6月。今月の半ばには体育祭が予定されていて学園全体が火花を散らすんじゃないかと思うくらい、どのクラスも気合いが入っていた。
勿論、我が西洋占星術科もその内の1クラスだ。
「絶対優勝するぞ!」
「宇宙科には負けねー!」
「勉強も運動も出来るからって甘く見てると痛い目に見るんだからな!」
「…競う相手は宇宙科だけですか?」
「去年も一昨年も宇宙科が優勝してんだってさ。だからだろ?つかどのクラスも打倒宇宙科≠セと思うけど」
「私は平和にやりたいよ」
打倒宇宙科ってカリキュラム的に1番辛いって有名でその上毎日のロードワークが義務付けられてるんだよ?勝てる訳ないじゃん。
「そういや、名字達B4は綺麗に二手に分かれたな」
「B4?」
「知らねーの?名字と瀬田、木ノ瀬と天羽って首席次席コンビだろ?秀才な4人って意味でB4」
「秀才…ね」
「何、名前知らなかったの?」
「知る訳ないじゃん」
誰がつけたか知らないけど流石に安直すぎないか?B4って何かのドラマに出てくるF4みたいじゃないか。
「てことで、お前らは100m走な」
「は?」
「俺は構わないけど」
「ちょっと待って。私が100m走っておかしくない?まず男子とやるとかおかしくない?」
「そーか?」
「名前ならおかしくない」
「憂はちょっと黙ってて」
何故そこまで宇宙科と張り合おうとするんだ君達は。てか宇宙科とやる時点で無謀なのに女子の私が男子とやるってのが1番無理だから。
「ま、もう紙出しちゃったから変えようないけどな」
「……………は?」
「メンバー表、もう担任に出しちゃった☆」
「久我山お前表に出ろ!!」
「落ち着け名前。怒っても紙は戻ってこないぞ」
「これが落ち着いてられますか?え?私絶対やらないから!」
100mなんてそんな面倒な種目出てたまるかっつの。梓と走るなんて恥晒すだけだし運動嫌いなんだよ、私。
「友達から聞いたんだけど、名前中学の時陸上部のエースだったんだろ?」
「憂?そんな話し誰から聞いたのかな?てか今このタイミングで言わなくてよくない?」
「あ、ごめんつい」
顔が笑ってる、笑ってるよ。あーあ、久我山ニヤニヤしてるし。これ出るの決定なのか?紙出されてるからどっちにしろ出なきゃいけないのか。
「…わかった、出ればいいんでしょ?!出れば!」
「流石。物分かりがよくて助かるよ、名前」
「誰のせいで…久我山、ニコニコしないでウザいから」
明日から私もロードワークしなきゃダメかな。梓には負けたくないし。