「で、あれが射手座。」
「射手座!」
「大神ゼウスの命令で、隣の蠍座が暴れださないようにその心臓にあたるα星アンタレスに狙いを定めているんです。」
「へー!」

俺なんかと夜の公園で何がしたいのかと思いながらみょうじさんについて行くと、星のことを教えてくれと頼まれた。正直学校でまともに授業を聞くことが少ないし、ここは街の明かりで星が少ししか見えないからちゃんと教えられるか不安だったけど、みょうじさんは目をキラキラさせながら俺の話に夢中になっていた。

「やっぱりいいなあ、星月学園。」
「そんなに星が好きならなんで星月学園来なかったんですか?」
「親が星月学園は共学になっても男子しかいないから駄目だって…」
「え、俺の幼馴染は女子で星月学園行ってますよ?」
「そうなの?」
「はい、まあ先輩ってことになっちゃいますけど。」
「え?」
「俺もそいつも二年なんで。」
「に、ねん。先輩…って。」
「…え?」
「ぷっ…あはははははは!」
「え、俺なんか変なこと言いました?」
「そうですよね、そうは見えないか。」
「なにが…」
「私、高三ですよ?」
「えっ、」

い…一年だと思ってたああああああ!まさか年上だなんてこれっぽっちも思っていなかった。

「すっ、すみません!」
「いいえ大丈夫です。慣れてるから。」
「じゃあ受験とかで忙しいんじゃ…。バイトしてて大丈夫なんですか?」
「推薦なんです。部活も引退したし、高校生活でやったことないのってあとはバイトかなって思って。」
「はあ…」
「ねえ、七海くん。」
「はい。」
「星のこと、また教えてくださいね。」

みょうじさんの笑顔を見ると何故か寮に帰りたくない≠サう思ってしまった。







*← →#

TOP




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -