12月31日 大晦日。

今日は、錫也の家族と月子の家族と俺の家族で錫也の家に集まって夕飯を食べた。今は、月子は食器を洗ってて、俺と錫也は錫也の部屋で笑ってはいけないテレビを見ている。

「あのさ、錫也。」
「ん?」

今なら月子も聞いていない。

「俺さ、その…なまえのこと……好きなんだと思う。」
「………………ぷっ。」
「は!?なんで笑ってんだよ!こっちは真剣に………。」
「ごめんごめん。わざわざ言わなくてもいいのに、俺なんかに話してくれるからさ。信用されてんだなって思って。」

そういえば、最初の頃は錫也になまえの話をするのも嫌だったっけ。今では、何かあると錫也に話したくなる。この気持ちに気づいたのだって、錫也の…。

「………当たり前だろ。」
「うん、ありがと。」
「俺の方こそ…。」
「ははっ、哉太顔真っ赤!」
「うっせ。」

なんだこの空気、なんて思ったけど。なんやかんやで俺のことをよくわかってくれて、よく考えてくれる幼なじみに、心から感謝した。

「…………ふふっ。」
「おい!お前また!!」
「いやいや、テレビ。」
「あ、テレビね。」

春は羊に出会って、夏にはなまえに出会って。すごく濃い1年だった。俺の中の世界を大きく変えた、そんな1年。

そしてもうすぐ、その年が終わろうとしている。







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