12月24日クリスマスイブ。結局二人で遊んだんだけど、二人の距離感はいつもと変わらなかった。違うことと言えば、いつもより周りがカップルで溢れてて、俺がそれを少しだけ意識してるってこと。(なまえはどう思ってるんだろう)

「あー!めっちゃ怖かった!」

最終バスの時刻が迫る午後20時すぎ、俺達はいつものファーストフードのいつもの席でさっき見た映画について語っていた。

「つか、クリスマスにホラー映画って…。女子って恋愛映画とかの方が好きなんじゃねーの?」
「いいの!」
「怖がるどころか爆笑してたし。」
「……うるさいなぁ。自分は半泣きだったじゃん!」
「……なんか最近俺に対する言葉が強くなったよね。」

でも不思議と嫌じゃない。ドMだからとかじゃなくて、そんくらい仲良くなれたのかなって思うから。

「意外と男っぽいよね。初めて会ったときはそんなんじゃなかった。」
「うるさいなぁ!人見知りなの!猫かぶってたの!」
「人見知り?だってあんなに…」
「あっ!!」

突然声を上げるなまえ。そんななまえの声に反応した周りの席の人たちにチラッと見られて、俺は顔を伏せた。けど、その伏せた顔もすぐに上げることになる。

「ちょ、見て見て!雪!」
「えっ。」

窓の外を見ると空から白いキラキラが降ってきていた。なまえの声を聞いた人たちも、つられて窓の外を見て感嘆の声を洩らしている。

「ねぇ、外行ってみよう!もう食べたでしょ!ほらっ!」

そう行ってコートを羽織るなまえ。俺がジャンパーを着たのを見ると、片付けをして店の外へ向かって走り出す。

なまえのあとを追いかけて俺も走ったんだけど、チラッとあるものが目にうつった。

「あああああっ!」
「え!?ちょっと、私よりうるさいよ哉太くん!」

そら声もでかくなりますよ。だって…

「最終バス…時間すぎてる……。」







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