錫也の言いたいことはわかる。

つまり、だ。

錫也は、俺がみょうじさんのことが好きで恋をしているんだと言いたいんだろう。

正直、よくわからない。

「粟田ー。」
「なんだ?」
「お前って好きな人いる?」
「どどどどうしちゃったんだよお前!」

俺は恋愛ドラマも少女漫画も見ないから、ソレがどんなものなのかもわからない。

「別に。で、いる?」
「…ま、まあな。」

ポッと顔を赤らめる粟田。

「ハァ。」
「ちょ、何でため息!?」

みょうじさんにドキドキすることだって、かわいいと思うことだってある。月子とか、小学校のとき仲良しだったりっちゃんとか、それとは違う感情があるのは確かだ。

でもやっぱりわからない。

わからない。







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テーマ「人外ファンタジー」
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