土曜日。昨日急に具合が悪くなった俺は、月子に連れられて病院へ行ってきた。最近薬を飲んでいなかったし、ちゃんと病院にも行ってなかったから、先生に怒られてしまった。あとオカンにも。
「ったく。別について来なくていいのに。」
「ついて行かなきゃ、哉太逃げるでしょ。病気、治したくないの?」
「っせ。そう言われるの一番嫌なんだよ。」
「……………。」
まだ頭が痛い。立っているのもキツいのに、バス停まで歩かなきゃ行けないなんて。
「………っ。」
「ちょっと…大丈夫?」
「離せよ…。」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
そう言って月子は俺の服の袖に掴まった。あ、そこはみょうじさんが…。こんなときでもみょうじさんのことを思い出すなんて、よっぽどキてるな。俺。もう死ぬんじゃね?
「かっこ悪…。」
悔しい。そんな感情、絶対誰にも見せないけど。俺は必死に、でも余裕顔で足を進めた。
本当に。なんて情けないんだ。
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