文化祭が終わって振り替え休日があって。一発目の学校。俺はいつものように遅刻していつもの教室に入る。一時間目と二時間目の間の休み時間。いくら授業を真剣に受けているからと言って、朝が得意になった訳ではない。

「七海く〜ん、おはよう。」
「な…なんだよ気持ち悪い。」
俺が教室に入ってきたと同時に話しかけて来たのは、いつもの五人組だ。

「あのね、彼女のこと詳しく聞きたいな〜、なんて思って。」
「だから違うって、しつけーな!」

忘れてた。あの事。教室には錫也も月子もいるのに…。マジでめんどくせー、コイツら。

「ねぇねぇ〜。」
「や…やめなって…。」

おい柑子、お前も相変わらずニヤニヤしてるぞ。

「なになに?」
「すすすすす錫也!」
「なに、ヒトの顔みて失礼な。」
「いや、べべべべべ別に!」
「わかりやす。」(ボソッ)
「ん?」
「いや?で、なに?」
「聞いてくださいよ東月くーん。七海くんったらね、俺達に隠れてかのzy……」
「わーーーーーーー!」

本っっっ当にコイツだけには聞かれたくない!気まずい、気まずい、気まずい!
「え、みんな知ってたの?」
「…………………は?」

なんだ、それ。文化祭の日、俺は確かにどこへ行くにも錫也がいないか確認したはずだ。

「す…錫也。見た、の、か?」
「(・ω<)☆」

どこでだどこでだどこでだどこでだどこでだ?まさか隠しカメラか?全部見られてたのか?みょうじさんとの出会いから全部ドッキリだったのか?

「スターロードで。」
「それ一番ダメなやつぅぅぅぅぅぅぅぅううう!」
「気つかってそっとしといてあげたの。感謝しろよ?」
「だから付き合ってないって!」

錫也までこんなこと言い出すのか。つか16話の辺り見られてたとか…。気まずいって!

「まあ、そうだろうね。」
「え?」
「見てたらわかるよ。哉太とみょうじさんは付き合ってない。」

錫也がそう言うと、チャイムが鳴って、周りの奴らは「つまんね。」と言いながら席に戻って行った。

おい柑子、お前が一番ガッカリした顔してるぞ。

「…サンキュ。」
「いや?」
「マジで違うから。」
「わかってるって。」
「あと…このこと…。」
「月子には言わないよ。」
「…サンキュ。」

やっぱりコイツからは逃げられないな、と思った。俺のこと、なんでもお見通しだ。

そんな錫也の背中に、心の中でもう一度感謝する。

それと同時に錫也は「でも…」と俺の方に振り返ってこう言った。

「いつまで子供でいるつもり?」







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