「わっ!すごいすごい!」

どうしてこうなった。今俺はと天文台に来ているわけで。目の前には星を見て喜ぶみょうじさんがいる。

あの後、みょうじさんが友達にお願いして二人で天文台で天体観測することになったのだ。まさかこんなに早くこの日がくるなんて。

「望遠鏡があったらいいんですけどね。」
「星月学園は星を見る設備がしっかりしてるんですよね?」
「まあ。」
「いいなー。」

相変わらずみょうじさんは俺の話しに夢中で(勉強頑張ってよかった)満天の星空を目の前に、この間以上に目を輝かせていた。やはり年上だとは思えない。

「七海くん。」
「はい?」
「ありがとうね。」
「急にどうしたんですか?」
「私、七海くんに出会えてよかったな。」
「そんな大袈裟な…」
「大袈裟なんかじゃないよ。私ね、星月学園に行くのを諦めてから星を見ることが無くなったんです。だから、自分の好きなことをしてる時間ってこんなに楽しいんだなって。…今、すごい楽しい。」

そう言って笑ったみょうじさん。その笑顔が無性にかわいいと感じて。鼻の奥がキュッてなった。

出会ったばかりの人に、何故こんなにも心が引かれるんだろう。







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