8 赤司様降臨



青峰に連れられて来たのはいいけど、バッシュも無ければジャージでもない私は当然バスケなんて出来る訳なくて。



「ルームウェアにスニーカーでやれって?ふざけんなよ」
「だから着替えてこいって」
「部屋に戻ったら私はここにもう来ない」
「じゃあそのままやれよ」



さっきからずっとこの繰り返し。先に練習していた緑間達も段々鬱陶しくなってきたのか眉間に皺が寄り始めてる。



「お前達…言い争いをするなら余所でやるのだよ」
「峰ちんとなまえちんうるさい」
「青峰っち。みょうじサンに無理言っちゃダメっスよ」
「だって青峰」
「俺だけに言ってるワケじゃねーだろ」



ここに赤司が居なくてよかったとかちょっと本気で思った。居たらペナルティーどころの話しじゃなくなりそうだし。



「みょうじ、青峰。君達はいったい何をしてるんだい?」
「……あー、いや、これはなんつーか」
「さっきからずっと言い争っているのだよ。まったく、迷惑な奴らだ」
「み、緑間!あんた余計な事をっ」
「へぇ。2人揃って緑間達の練習の邪魔をしていたという事か」



赤司の表情が変わった。確実にお怒りモードだ。青峰は明日の練習がキツくなるんだろうけど私は?ただのお手伝いに何のペナルティーが下される?



「青峰、お前は明日の午前中走り込みだ」
「あ?!ずっとかよ!」
「ボールに触る事は許さない。そしてみょうじ」
「な、何でしょう…」
「君には2時から5時まで練習に参加してもらう」
「……は?」



突然すぎて何を言われたのか理解出来ない。私の聞き間違いじゃなければ練習に参加しろって言わなかっただろうか。

おいおい、緑間達だって呆然としてるよ?やっぱり赤司の思考は読めないな。何考えてるのかサッパリだもん。



「バスケは出来るんだろう?」
「いや、出来るけど」
「なら何も問題はないな」
「いや、問題だらけでむしろ困ってるんですけど?」
「何が問題なんだ」
「私ここにお手伝いとして来てるんですよ。お昼ご飯作らなきゃなんないし?洗い物とか買い物とか夜ご飯作るとか、やる事盛り沢山」



そう言うと赤司はかうっすらと笑みを浮かべた。何でだろう、とてつもなく嫌な予感がするのは。




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