5 やっぱりダメでした



皆がお昼を食べ終わって練習に戻っていく中、赤司は何かを考え込むように席に残っていた。



「赤司、行かないの?」
「…ちょっと練習メニューを考えていてね」
「あー、ごめん。邪魔しちゃったね」
「いや、大丈夫だ。それより昼のスープなんだが」
「あれ?桃井さんが張り切って作ったんだよ、美味しかった?」



そう問えば赤司は眉間に皺を寄せた。見た目は結構美味しそうだったんだけどやっぱりなんかダメだったのかな。



「桃井に料理は作らせない方がいい」
「それ、青峰にも言われたんだよね」
「…なのに作らせたのか」
「だって選んでる食材普通だったんだもん」
「食材なんて誰でも普通に選べるだろう。みょうじの基準はそこしかないのか?」
「赤司って容赦無く毒舌吐くよね…」



夜からは私が1人で作る代わりに桃井さんには赤司から言ってもらう事にした。仕事に専念してって言ってもきっと食い下がってくるだろうし、下手に嘘つくより赤司に言ってもらった方が全然良い。



「夜ご飯は…カレーでいっか」
「なに〜?なまえちんカレー作るの?」
「…えーっと、紫原?だっけ?」
「そうだけど、紫原って言いづらくない?敦でいいよー」
「じゃあ敦。カレー作るつもりだけど甘口とか辛口とか好みある?」
「美味しければ何でもいいよ」



何故か頭をぽんぽんと撫でてから持参してきたらしいお菓子を食べながら去っていく敦。何しに来たんだろう、赤司より後に行って怒られたりしないのかな。

人の心配も程々に私は身なりを整えて再び近くのスーパーに行く事にした。





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