「みょうじ、どうゆう事か説明してもらおうか」
「いや、これは青峰が勝手に」
「説明しろと言ってるんだ」
「はい」
体育館に強制連行されてきた私はやっぱり注目の的だった。ただでさえ担がれて無様な姿を晒しているというのに、着いた途端赤司の怖い尋問が始まるし。
「ここ3日間青峰に付き纏われてて、そしたら今日遂に強行手段に出たとゆう訳でして」
「話しが全くわからないな。そもそも何故付き纏われてるんだ」
「それは私も知りたいです」
「…もういい。あとは青峰に聞いておこう」
流石の赤司もちょっと呆れ気味だった。私をここに連れてきてこんな目に遭わせた張本人は、凄く楽しそうに金髪頭の子とバスケをしている。
自由奔放にも程が思うんだよね。何、俺様主義ですか?
「青峰」
「あ?何だよ、赤司」
「何故みょうじを連れて来たんだ」
「何で?そりゃー、コイツがバスケ超上手いからに決まってんだろ」
「……は?」
決まってんだろって、決まってんのはアンタの中でだけだろうが。まずバスケ上手いって青峰の前でバスケなんてやった覚えないんだけど。
満面の笑みでなっ!≠チて言ってくる青峰に私は苦笑いを返すしかなかった。
「みょうじはバスケの経験があるのか?」
「まあ…少し」
「少しであんな上手いワケねーだろ!」
「本当だって!人のを見様見真似でやってただけだし」
「見様見真似…黄瀬と同じタイプか」
本当に青峰はどこで私がバスケしてるのを見たんだろう。最近はずっとストバスとかでしかやってなかったんだけど、その時か?
「なまえ!1on1やろーぜ!」
「は?何言ってんの、やんないよ」
「へぇ〜、青峰っちが女の子にやろうなんて言ってんの初めて見たっス」
「…誰」
「え?オレの事知らないッスか?!」
「生憎」
何と無くどこかで見た事はあるような気はするんだけど、いまいち思い出せない。そんなに彼は有名なんだろうかと首を傾げていると、不意に彼は笑った。
「知らないのはちょっとショックだけど、何か嬉しいッス」
「何で?意味がわからない」
「オレ、これでも一応人気モデルなんスよ」
「へぇ〜、モデル…モデル?」
「モデル。あそこに居る女子達はオレがモデルだって知ってて見に来てるんスよ」
なんて余りにも輝くような笑顔で言うもんだからつい殴ってしまった。
それにしてもモデルか。そういえば1年の時に何か騒ぎになってたような気がする。そっかそっか、あのギャラリーも全部彼のせいって訳ね。