03




「あれ、今日って休みだっけ?」



入学式を無事に終えた3日後、本来なら多くの生徒が居る筈の校内には数人程度しか居なかった。なに、臨時休校とか?



「おーい、神苑!」
「ん、犬飼」
「俺も居るぞー!」
「白鳥」
「お前なんで制服なんか着てんだ?」



なんでって言われても、今日学校だからに決まってるじゃん。よく見れば犬飼達も他の生徒も皆私服だった。…もしかして、今日って休みなのか?



「神苑、もしかしなくても今日学校だと思ってたろ」
「……」
「昨日先生言ってなかったかー?」
「白鳥に言われると腹立つんだけど」



ニヤニヤしながら僕に言ってくる白鳥に、多少のいらつきを感じた。



「先生方の緊急会議があるから、今日は休みだぜ」
「緊急会議?会議如きで学校休みにしていいの」
「俺に言うなよ。なんでも、他の学校からもお偉いさんが来るらしいぜ」
「そう。教えてくれてありがとう、犬飼」
「俺には!?」
「僕、白鳥には何にも教えられてないと思うんだけど」



なんて僕が言うもんだから、白鳥が騒ぎ出して犬飼が強制退場させた。ホント、弄りがいのある奴だ。



「あれ、咏羽」
「ん…月子」
「なんで、」
「今日学校だと思ったんだよ」
「遮らないでよ!」
「同じ質問ばっかだと遮りたくもなるんだよ!」



やっぱり早く着替えるべきだ。これ以上同じ質問はされたくないし。一緒にご飯を食べようと言ってきた月子に、後で行くと強引に先に行かせた。

しかし、そんな僕の計画はとある男によって崩された。



「いやー!神苑が居てくれて助かったよ!」
「…なんで側に居た粟田じゃなくて僕なんですか」
「粟田は部活があるからなー。それに神苑、暇そうにしてたし!」
「僕は決して暇ではありません。むしろ忙しかったです」



そんな細かい事は気にするなと、陽日先生はバシバシ背中を叩いてくる。この人、僕の事本当に女だとわかってるんだろうか。叩いてくる力が尋常じゃないくらい強いんだけど。



「ほら、僕はちゃんと運びましたからね!」
「おお!サンキューな!」



目的の資料室まで荷物を運び終えると、陽日先生はとても先生とは思えない程少年の様な笑顔で手を振ってきた。




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