一瞬の輝き | ナノ


ただ君の笑顔が見たくて 宮地






クリスマスイヴ、名前と二人でデートをするのも明日なのに俺は未だに名前へのクリスマスプレゼントを買えずにいる。

「………。」

名前のお気に入りの店で買いたいというのはあるのだが、なんせそこが女性物のファンシーショップだから男の俺が一人で入って行くにはかなりの勇気がいる。

そんなわけで、俺はこの店の前をかれこれ30分は右往左往している。

「…このままじゃ何も買えないな。」

そう自分に10回言い聞かせて、深呼吸をして。なるべく平然とした顔を装って、やっとの思いで店に入る。

「いらっしゃいませー。」

今、店にいた客(ほとんどがカップルだ)の目線が俺に集中したようだったが…。

とにかくさっさと決めてしまって、さっさと店を出よう。だからと言ってテキトーにならないように。

「名前は何が欲しいんだろうか。」

ストラップ?マグカップ?

さすがに付き合って初めてのクリスマスにぺ…ペアリングというやつは重いだろうか。だったらネックレスなんてどうだ。

そしてアクセサリーコーナーから名前が好きそうなネックレスを選びレジに持っていった。

「あ…あの、ラッピング…お願いします。」
「かしこまりました。ふふ、彼女さんにですか?」
「えっ。」
「かわいいですよね、これ。きっと彼女さんも喜びますよ!」
「はあ…」

そして会計を済ませて店を出るとき、店員の話し声がが聞こえた。

「顔、真っ赤だったね!」
「うん。かわいかったよね。」「ふふふふふ。」

…もうこんな店絶対に来ない!(名前が行きたいと行ったら来てしまうだろうけど。)

とてつもなく恥ずかしい思いをしたけれど、とにかく買えてよかった。

明日はクリスマスイヴ。

早く名前の笑顔に会いたい。






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