一瞬の輝き | ナノ


キミのうしろで。 青空






「HRは席替えすっぞー!」

クラスのみんなが嬉しそうに声を上げるなか、私だけが一人で項垂れていた。一年生の頃から憧れていた青空君の後ろの席になれたのは二ヶ月前。特に会話をすることはなかったけど、前からプリントをまわす時に少し目が合ったり、手が触れたりするのが幸せでだった。けど、それもこれでお終いになるということだ。

「十四番、十四番…。」

青空君は九番。十四番を引くことが出来れば青空君の後ろになれる。運命の瞬間。くじを引いて今まさに開こうとした、その時だ。

「あ、青空の後ろか!」

犬飼の声。アオゾラノウシロ?慌てて自分のくじを見る。もちろん十四番では…ない。あぁ、終わった。呆然としながら新しい席につく。前を見ても青空君の頭はない。この席からだと青空君はどう見えるんだろう、そう思ってあたりを見渡す。すると、だ。

「苗字さん、今度は隣ですね。よろしくお願いします。」

すぐ左隣で青空君が少し照れくさそうに声をかけてきて、その後ろで犬飼がよかったな、なんて青空君に言っている。青空君の隣の席になったんだ、私。



その二ヶ月後、私と颯斗は席替えの前にまた隣になれたらいいねなんて言い合う関係になっていた。






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