一瞬の輝き | ナノ


誘う唇にキス 天羽








「……………ん…。」


私より年下のくせに、普段は子供っぽいくせに、キスだけは大人で。そんな翼の唇に、舌に、私はいつも酔わされる。息が苦しくなって翼の肩を軽く叩く。離れると唇の周りは涎でベトベト。二人の涎が混ざって、もう訳がわからない。


「名前はキスが下手だな〜。」
「つ…翼が強引なの!」


服の袖で唇を拭いながらぬははって翼が笑った。ムードもへったくれもないんだから。私はいっぱいいっぱいなのに翼はいつも余裕そうで、なんかムカついたからおでこを小突いてやった。


「でも、それが可愛い。」


そう言いながら翼は私の頬を大きい両手で包んだ。あったかい。久しぶりにこんな至近距離で見た翼の顔は、吸い込まれそうなくらい綺麗で私は気づくと口を開いていた。




「ねえ翼、もう一回。」






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