こうすれば安心だね 水嶋
「また告白されてたね。」
「え…見てたの?」
今日の昼休み三年生の先輩に告白された。郁と付き合いはじめてから告白されるのは五回目だった。今までそのことを郁に話したことはないし、誰にも見られてなかったと思ったんだけど。
「何で言わなかったの?」
「べ…別にわざわざ言うようなことじゃないし……。」
「そうだね。僕でもそうする。」
「じゃあどうして?」
じりじりと追いつめてくる郁。とうとう壁に追いやられた私は壁に両手をつかれて逃げ場がない。
「名前は無防備すぎるんだよ。自覚ないの?」
「……ごめん。」
「許して欲しい?」
「うん。」
郁がニヤリと笑った気がして心臓が跳ねた。なにされるんだろう…?
「じゃあ名前からキスして?」
「え!?無理無理!」
「だったら許さない。」
「う………わかったよぉ。」
私は仕方なく背伸びをして、郁の唇に自分のソレを重ねる。
「んっ………!?」
一瞬だけくっついたと思った唇が郁に引き寄せられて再び重なる。今までしてきたモノとは違って激しくて、足がガクガクする。
「い…………く……」
郁の唇はそのまま首筋に降りてきて強くソコを吸う。
「んっ、」
「ただでさえ誰にも言えない関係なんだから。」
「うん。」」
「ちゃんと僕のモノだって自覚して。」
「……ごめんなさい。」
そう言うと郁はいい子だねって私の頭をフワッと撫でた。ごめんね、郁。でも私には郁しか見えてないんだから。
郁は私の首筋小さな痕に優しく触れた。
こうすれば安心だね。
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