理由はまだわからない 陽日
※会話ばっか
〜〜〜〜♪
「ん〜……もしもし?」
「おい!苗字!」
「げ、直獅。なにさこんな時間に…。まだ朝の6時だよ?」
「お前、今日こそ学校こいよ。」
「あー、うん。休むわ。」
「は!?」
「熱っぽいねん。」
「ぜっっっっってー嘘だ!」
「本当だって!」
「お前なあ、もう三年なんだぞ?そんなに休んでたら進路とかにも影響あるだろ…。」
「わかってるって〜。ほんっとうるさいなあ、直獅は。」
「わかってないから言ってるんだ!」
「ちび。」
「チビ関係ねーだろ!」
「ぶーぶー。」
「よーし、今日の朝のホームルームに遅刻しなかったら食堂でパフェ奢ってやる!」
「うっ………」
「だから絶対こいよ!」
「……ねぇ、なんでそこまでして学校行かせたいの?」
「そ、それは…苗字に会いたいからに決まってるだろ。」
「え。」
「………………。」
「…わ、わかったよ。行ってあげる。」
「よし!言ったからな!ぜっっっっってーこいよ!」
「…うん。」
「なあ、苗字。」
「なに?」
「…………早く会いたい。」
私は一週間ぶりに学校に行った。朝のホームルームが始まるより早く学校に着いたのはいつぶりだろう。
会いたい、なんて。直獅がいつもと違う調子で言うから。切ないような、嬉しいような、直獅じゃないような声で。
だから。
だから、私は私の頭をぐしゃぐしゃ撫でる直獅の笑顔を直視出来なかった。
理由はまだわからない
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