夢見る辛さを知りました 青空
※短、切
僕の想い人は液晶の外。名前も知らない。いつも僕の正面に座って笑っている人の少し右に座って不思議そうな顔で僕を見る。
席を交代して君が正面に来てくれたかと思うと、僕はブラックアウトさせられて、君と時間を共有することが出来ない。
「好きです。」
何度言っても笑顔になるのは君じゃない。僕を見て、笑顔になる人を見て笑顔になる。
操られたように囁く愛の言葉。それが君に届くように、どんなに心をこめても機械的な僕の声は君の心には届かない。
「好きです。」
もしもいつか、正面に座る彼女が僕に飽きてしまったら。僕はもう君に会うことが出来なくなってしまうのだろうか。
すぐに飽きてもいい。君が少しでも僕のことを好きだと思ってくれる日がこないだろうか。それがピアノより大事な今の僕の夢。
夢見る辛さを知りました
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