睡眠薬は君の声。 宮地
昨日、怖い夢をみた。内容は哉太と錫也に話したら笑われたからもう誰にも教えないけど。
「んー、寝れない。」
午前4時。明日、っていうか今日も学校だから寝ないとさすがにヤバい。けど落ちそうになったら昨日の夢がフラッシュバックして眠れないのだ。
「でも眠い…」
恐怖、不安、焦り、眠さが一気に押し寄せてきて私はただただ布団に潜っている事しか出来なかった。そんなとき、突然携帯のバイブ音が鳴る。…誰だろう、こんな時間に。
「りゅ、龍之介?」
携帯を開きまぶしいディスプレイを見るとそこには既に寝たはずの龍之介の名前が。私は慌てて通話ボタンを押し、携帯に耳をあてる。
「どうしたの?こんな時間に…」
『ん…名前が何かに怖がってる気がして。』
「え………どうして?」
『昨晩電話を切ったときの声がいつもと違ったっていうのもあるが、何故目が覚めたのかはわからない。…大丈夫か?』
まったくこの人は。私のことは何でもお見通しなんだから。眠っていても私のことがわかるなんて。バレないようにしてたのに。
「怖い夢を見てね、眠れないの。」
『そうか。…だったら名前が眠るまで何か話しててやるから』
「え!悪いよ、学校あるし。」
『お前こそ一睡もしないで学校行くつもりなのか?』
「それは……。」
『いいから、黙って目を瞑れ。』
私は龍之介に言われたとおり携帯を耳にあてたまま目を閉じる。龍之介はパフェの話を始める。こんなときにまでパフェかよ、なんて思ってないんだから。絶対。
『で、そこのクリームが…』
龍之介は淡々とパフェの話をしているけど、私はその声に安心して……静かに眠りについた。けど、聞こえたの。龍之介の声が。“おやすみ”って。
声だけでも愛しい。声だけでも安心する。龍之介の声は何よりも効く私だけの睡眠薬。…本当は手も握っていて欲しかったんだけど。
睡眠薬は君の声。
宮地くんの中の方が お誕生日ということで こんな感じになりました(^O^)
か/み/や/さ/ん、 おめでとうございます!
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