13:桜色の頬

「あー…」



今日の天気は生憎の雨。長い髪は湿気でよりうねうねになってまとまらないし、何より夜天体観測する予定だったのにパァだ。

めざ○しテレビのお天気お姉さん、今日は晴れだって言ってたのに。



「お前なにふて腐れてんの?」
「やーひーこー。この雨止めて…」
「よーし!この白鳥弥彦様の力、とくと見よっ!てぇや!!」



そう言って弥彦は窓に向かって手を翳したけど、まぁ、そんな事で雨が止む訳もなく。



「……だめじゃん…」
「そ、そんなしょんぼりするなよ〜」
「なんだ、お前達何してるんだ?」
「りゅう…」
「む…まさかとは思うが、白鳥に何かされた訳じゃないだろうな」
「…そーなんだ」
「えぇ!!?」



なんだか皆の会話が遠くに聞こえて、内容もイマイチ理解できない。なんか、いつもの自分じゃないみたい。



「…お前、」
「んー…?」
「ちょっと来い」
「わっ…龍?」



最近引っ張られる事多いなー。私はなんだか怠い体をなんとか動かして、龍に連れられるまま保健室に来た。



「失礼します」
「なんだ?宮地、怪我でもしたのか?」
「いえ、俺じゃなくてコイツが」「紫乃が?……あー、そうゆう事か」
「?」



何が“そうゆう事”なのかわからないまま、私は何故かベットに寝かされてしまった。私、別に具合は悪くないんだけどなー。



「ほら、熱測れ」
「はい…?」
「いいからサッサと測りなさい」



星月先生に勢い負けしてしまった。仕方ないから体温計を測る。それにしても、龍も星月先生もどうしたのかな?



「ん…測ったって熱なん、て…」



体温計を思わず2度見してしまった。え、38度?嘘だ…。



「終わったか?見せてみろ」



私の手から体温計を取ると星月先生は顔をしかめた。やっぱ、その体温って完全に風邪ですよね。



「はぁ…今日はもう帰れ」
「だ、大丈夫です」
「何が大丈夫だ。そんな具合悪そうな顔して」
「星月先生、やっぱり」
「あぁ。結構な熱だ」
「そうですか。俺コイツの荷物取ってきます」
「頼む」



2人はテキパキと行動してる。あの職務怠慢気味な星月先生が働いてるとこ、久しぶりに見たかもしれない。

てか、私本当に帰る事になるんだ…。



「お前の担任に伝えてくるから、しばらく寝てろ。帰る頃に起こしてやるから」
「…はーい」



カーテンを閉められてすぐ睡魔が襲ってきた。いつもだったらベットに横になってもすぐ眠たくならないのに、熱のせいか目を綴じればすぐにでも寝れる勢い。

少しだけ寝よ。星月先生が戻ってきたら寮に帰って寝ればいいや。




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