06:7つ星座を 数えれば

今週最後の昼休み。錫也が作ってきたお弁当を皆で食べようって哉太が提案してきたから、屋上庭園でわいわい騒ぎながら食べていた。



「哉太の卵焼きいただきー!」
「あ!!お前、とんなよっ!」
「じゃあ僕はおにぎりをいただくよ」
「羊!てめぇまでとんな!!」
「お前達、もう少し静かにできないのか?」



今ここにつきちゃんは居ない。何故なら生徒会の仕事があるからって颯斗くんと一緒に行っちゃったから。つきちゃんが居たらなー、最高だったのに。



「なぁなぁ、葵って何でこの学校に来たんだ?」
「はい?」
「僕もそれ気になる」
「哉太にしてはいい質問をしたな」



3人揃って私をじーっと見てくる。何でこの学校に来たのかなんて、そんなの決まりきった事じゃない?



「星が好きだからだけど?」
「…まぁ、そうだよな」
「僕てっきり男目当てに来たのかと思ったよ」
「羊、失礼だぞ!」
「どうゆうイメージ持たれてたの、私」



学校の名前に「星」が入ってるくらいだもん、星オタクと言われても過言じゃない人がたくさん居る所で男目当てでとか言われてもね。まぁ、いい人も居るかもしれないけど。



「そうゆう哉太は?」
「俺?俺も星が好きだから。あと写真もな」
「そういえばよく写真撮ってるよね。つきちゃんとか」
「ばッ…!ち、ちげぇよ!!」
「あははっ!哉太、顔真っ赤だよ?」



茹蛸みたいに真っ赤になった哉太を横目に、羊くんの方をチラッと見たら面白くないような顔をしていた。本当につきちゃんの事好きなんだな。



「羊くん羊くん」
「…なに」
「ちょっとヤキモチ妬いてる?」
「や、ヤキモチなんか妬いてない!!」
「なんだ羊。ヤキモチ妬いてたのかぁ?」
「うるさい哉太!僕はそんなんじゃっ、」
「ほら3人共。早く食べないと昼休み終わっちゃうぞ」



犬猿の仲ってこの2人の事言うと思うんだよね。何かあればすぐ言い合いになるし、とくにつきちゃん絡みだと。



「あ、つきちゃんから電話だ」
「月子から?」
「うん!……もしもーし」



スマホの画面を見ればつきちゃんから電話がかかってきて慌てて出た。後ろでなんか怒号が聞こえるんだけど…。



『葵ちゃん?』
「どしたの?後ろがずいぶん騒がしいけど」
『翼くんがまた発明品を爆発させちゃって。それでね、葵ちゃん今から生徒会室に来れる?』
「生徒会室に?行けるけど、」
『じゃあ待ってるから!』
「え、ちょっと!つきちゃん?」



聞こえてくるのは無機質な機械音だけで、私は数秒だけ動きがストップしてしまった。あのつきちゃんが珍しく一方的でビックリしたなー。



「月子なんだって?」
「え?あぁ、今から生徒会室に来てって」
「急用か?」
「わかんない。とりあえず行ってくるね!」
「気をつけろよ」
「ありがと錫也」



未だにおかずの取り合いをしてる哉太と羊くんには錫也から言っといてもらう事にして、私は生徒会室へ。嫌な予感しかしないんだけどつきちゃんの頼みなら断れないし。まぁ、行ってみないとわかんないし早く行こーっと。




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