残念な伊助


「裸足になれば足音たちませんよ」

ひょんとした顔でそう言い放つ伊助くん。
僕をからかってるのだろうか、侮ってるのだろうか、なんにしろひどい冗談だ。と、頬をぷくうとふくらませてみせる。

「そんなことしたら足が傷ついちゃうでしょ!」

そんなの忍の基礎の基礎、いや基礎というのもはばかられるし忍というのも関係なく、世間一般的な常識である。

「タカ丸さんは猫なんですから肉球があるでしょう」

「はぇ?」

「ですから、肉球が。」

心の底から意味が全くわからなく、頭の中が真っ白になる。数秒必死に考えてみても理解のしようがない。

「猫、じゃないよ?」

とりあえず率直に告げてみることにした。
すると伊助くんの方がわけがわからないという表情をして、僕は本当に本当にぽかんとした。

「ああ、肉球があっても手裏剣やまきびしなどから足を守ることは出来ませんね」

「え、いやいやいや」

そういうのじゃなくて、猫じゃないよ僕。猫ではないよ。
れっきとしたにんげ、そう言いかけると。

「ああわかった天使様ですね!だったら翼をだせば解決じゃないですかもう!」

「え?ええ?え??」

そうならそうと言ってくださいよ、やだはずかしー、なんてからから笑いながら伊助くんが言うものだから、僕もとりあえず苦笑いをしておいた。
え、つまりどういうこと?




この伊助はくうちゃんでもうつったんでしょうかね!頭が!



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