第四十八話「信頼」


「あーもしもし?

そちらに至急用意して欲しい物がある。

私はブラックジャック。

金はいくらでも出す」

ブラックジャックはバート病院にあった公衆電話で

そう言いきった。

「もう…お金遣いが荒いんだから」

電話を終えたブラックジャックに

未来は苦笑した。

「見逃してくれ」

そう言うブラックジャックも苦笑いをした。

「わかっている。

キャサリンさんの命を助けるためだもん」

「ふふ、お前さんならそう言うと信じていたよ」

ブラックジャックは絶対の信頼を

未来に寄せていた。

一瞬二人は見つめあう。

「もう!早く行くのよさ!」

ピノコはそう言って先頭を歩き始めた。

その後をブラックジャックも未来も

ついて行った。


ブラックジャックはバート院長に代わって

キャサリンのオペを執刀することになった。

「未来、ピノコ…

お前さん達はここで待っていてくれ」

白衣を着ながらブラックジャックはそう言った。

「え…」

手伝うつもりだった二人は動きが止まる。

「これは私一人で挑戦したいんだ」

しかしきっぱりとブラックジャックは言った。

ブラックジャックの瞳には

本間血腫に打ち勝ちたいという強い意志があった。

「うん、わかった」

「頑張ってね、ちぇんちぇー!」

だから二人も笑顔で見送った。


to be continued