第三十一話「容疑者はブラックジャック」


未来達三人は薄暗い路地裏を歩いていた。

カビのようなにおいもして

早くホテルに着きたいと三人とも思っていた。

「ねえ、ちぇんちぇー!

たまには豪華なホテルに泊まりたい!」

特にピノコが限界のようで

ブラックジャックに泣きつくように言った。

「観光に来てるんじゃないんだぞ?」

「それにこの辺には豪華なホテルなさそうだし…」

そんな会話をしていた時

「静かに」

ブラックジャックは靴紐を結ぶ振りをして

小声で話した。

「つけられている」

ブラックジャックは確信があるらしく

きっぱりと言った。

「え?」

「まさかあいちゅらが…?」

三人に緊張が漂い

次の瞬間三人は走り始めた。

「待て!」

数人の男がそれを追う。

ブラックジャックは男たちに目がけて

近くにあった樽を投げつけながら走った。

「なんとか逃げ切った?」

そう未来が安心しそうな時だった。

いきなり眩しい光が三人を照らした。

あまりにもまぶしくて三人とも

目を細めた。

「そこを動くな!警察だ!」

そこに待ち構えていたのは

ブラックジャックの命を狙う

いつもの美しい女性ではなく

数台のパトカーだった。

「警察?!」

「何故警察が?」

「あー!そいつらだ!」

不思議そうな顔のブラックジャックと未来を

酔っぱらいと思われる中年男性が

指差した。

「その顔の傷!そして美人!

間違いない!」

「よし、暴行殺人の疑いで逮捕だ!」

ブラックジャック達はパトカーで

連行された。

何がどうなっているのか三人には全く分からなかった。


to be continued