第二十八話「オペの準備だ」


白拍子達による

機長達のオペは始まった。

しかし機内の揺れは大きくなる一方だった。

「わあ!揺れる!」

「だって操縦士がいないんだものね…」

客室に座っているピノコと未来は

不安そうな顔をしていた。

「白拍子がやると言ったんだ。

大丈夫だろう」

対照的にブラックジャックは冷静にそう言うと

座りながら目をつぶった。

こんな時でも冷静でいられるブラックジャックを

未来はすごいと思った。


「ブラックジャック先生!」

数分後、手術をしているはずの史子が

客室に急いで入ってきた。

慌ただしく手術室から出ていたのか

白衣やマスクをしたままだ。

「どうしたの?」

ピノコが不思議そうに聞いた。

「この揺れで手術が出来ないんです。

マルチスキャンもバランス制御も

爆発のせいで電圧が下がり

起動できなくて…」

そう説明する史子は焦っていた。

手術ができないなら無理もないだろう。

「だが私は…」

「お願いします、ブラックジャック先生!

白拍子先生も向こうで待っています」

史子の懇願にブラックジャックは

ため息をついてから立ち上がった。

「ピノコ!未来!

オペの準備だ!」

いつものようにブラックジャックは

二人にそう言った。


to be continued