第二十七話「私がやる」


「黒男さん…」

未来は千切れた命綱を見て

涙を流した。

最愛の夫が

今度こそ命を落としたと思うしかなかった。

しかしその次の瞬間

「手を貸してくれ」

ブラックジャックはコックピットのドアを開けて

姿を見せた。

「ちぇんちぇー!」

ピノコは嬉しくてブラックジャックにしがみつく。

「黒男さん…よかった」

未来は涙をぬぐった。

ブラックジャックは風で飛ばされてしまったが

コックピットの割れた窓ガラスから

中に入ったようだ。

「二人とも閃光弾の破片が

胸と腹部に刺さっている。

早く取り出さなければ…」

「ここからは私がやる」

ブラックジャックの説明に

白拍子は断言した。

無免許のブラックジャックには

どうしても手術をさせたくないらしい。

「君は医師免許を持っているのか?」

白拍子は未来に聞いた。

「はい。ですが…」

でも未来は白拍子とオペをするのに

抵抗があった。

「一応聞いただけだ。

配偶者と一緒にいるがいい」

そう言って白拍子は手術室へ入った。


to be continued