第二十六話「命綱」


ブラックジャックは命綱を腰につけて

はしごを使って非常口から出て行った。

「絶対にこの綱は離さないんだから!」

未来は命綱を握りしめた。

不安だったがブラックジャックを信じていた。

ブラックジャックが出た非常口は開いたままだったので

客室にもすさまじい風が入ってきた。

「離しちゃダメよ!」

「死んでも離さない!」

しかし史子と未来がそう叫んだのと

命綱が切れたのは、ほぼ同時だった。

「え?」

切れてしまった命綱を未来は、呆然と見た。

「切れたわ!」

「飛ばされたんだ」

「そんな…」

史子、医師、そして未来は

絶望的な顔で呟いた。

「ちぇんちぇー!」

ピノコも叫んだ。

誰もがブラックジャックは飛行機から飛ばされた

と思った。


to be continued